毎月恒例のプチ講習、第三十二回は「高力ボルトに関するQ&A~Part.1~」です。
≪ 高力ボルトのF10T、S10Tの意味は? ≫
現在、建築及び土木に使用されている高力ボルトは、
高力六角ボルト(ハイテンションボルト)とトルシア形高力ボルトの2種類があります。
高力六角ボルト(ハイテンションボルト)はF10T、
トルシア形高力ボルトはS10T
と区分され、
これらの記号はそれぞれの機械的性質による等級を表しており、
・F10Tの
F は、 for Friction Grip Joints (摩擦接合用) を意味し、
10は、引張強さ 100kgf/mm2=10ton.f/cm2 の10
T は、ボルトの引張試験による、引強さの意である Tensile Strength のT
を、表しています。
・S10Tの
S は、 for Structural Joints (構造用) のS
(10Tは上記F10Tのそれと同じ)
であり、高力六角ボルト(ハイテンションボルト)と識別出来るようにしています。
≪ トルシア形高力ボルトが、丸頭、座金が1枚である理由は? ≫
・トルシア形高力ボルトは、頭部が丸頭であり、締め付けに際しては、座金をナット側に1枚使用しています。
・頭部を丸頭にして、丸頭の座面径を高力六角ボルト(ハイテンションボルト)の座面径より大きくして受圧面積を大きくし、頭部に座金を使用しなくても、リラクゼーションなどの性能が高力六角ボルト(ハイテンションボルト)と同等であり、ボルト軸力の確保が十分出来ることを実験により確認して、国土交通大臣の認定を得ていますので、法的にも頭側に座金を使用しなくてもよいとなっています。
※ リラクゼーション とは、ナットが緩み、回転をしないまま軸力が減少することをいいます
高力ボルトに関するQ&A~Part.1~


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